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平成二十年度 鳥類臨床研究会会報第11号
2008 PROCEEDINGS OF THE JAPANESE ASSOCIATION FOR CLINICAL AVIAN MEDICINE NO.11

投稿区分:短報

1
題名 複数の抗真菌剤に耐性を示したセキセイインコ(Melopsittacus undulates)の消化管内真菌症の一例
A case of mycosis resists some antifungals in the digestive tract of a budgeriger(Melopsittacus undulates)
投稿者名 浅井 さつき
Satsuki Asai
所属 みずひろ小鳥の診療所
Mizuhiro bird clinic
キーワード セキセイインコ、真菌症、ミカファンギン、インターフェロン、薬剤耐性
要約 嘔吐と黒色便の症状を呈するセキセイインコ(Melopsittacus undulates)の糞便中に多数の出芽酵母が検出された。抗真菌剤としてアンホテリシンB(AMPH-B)、フルコナゾール(FLCZ)、ミカファンギンナトリウム(MCFG)を順次使用したが、この酵母はこれらの薬剤に対し耐性を示した。最終的に、この真菌症はフルコナゾール(FLCZ)とインターフェロンの内服によって完治に至ったことから、本症例で認めた薬剤耐性はいわゆる「clinical resistance(臨床上での耐性)」だったと推察された。

2
題名 飼い鳥にみられた体表腫瘍の8症例
Eight cases of body surface neoplasms in companion birds
投稿者名 伊藤 卓巳 ら
Takumi Ito etal.
所属 ハート動物病院
Hart animal hospital
キーワード 飼い鳥、間葉系腫瘍、上皮系腫瘍、良性腫瘍、悪性腫瘍
要約 飼い鳥の日常診療の中で、遭遇した体表腫瘍の8症例について、病理学的な回顧的調査を行った。各症例は、セキセイインコ(Melopsittacus undulatus)の肢に発生した線維腫、コザクラインコ(Agapornis roseicollis)の翼に発生した線維肉腫、セキセイインコの背部に発生した血管肉腫、ボタンインコ(Agapornis lilianae)の胸腹部に発生した大型の脂肪腫、セキセイインコの尾腺に発生した扁平上皮癌、嘴根部皮膚に発生した疥癬症を伴う高分化型扁平上皮癌、セキセイインコの腹部に発生した皮内角化上皮腫と鑑別診断、文鳥の総排泄腔粘膜に発生した腺腫であり、年齢分布は1〜14歳齢と広範囲であった。これらの症例は、いずれも外科的処置が必要と判断され、腫瘍摘出によってQOLの向上または長期生存が可能となった。

3
題名 鳥類の白血球測定方法における好酸球算定用ユノペットとランドルフ液の比較調査
Comparative investigation of the esosinophil Unopette brand 5877 system and Randolph’s reagent in the white blood cell count methods of birds.
投稿者名 岩瀬 祥子
Shoko Iwase
所属 横浜小鳥の病院
Yokohama Bird Clinic
キーワード 白血球測定方法、好酸球算定用ユノペット、ランドルフ液
pet bird, mesenchymal tumor, epithelial tumor, benign tumor, malignant tumor
要約 鳥における白血球測定方法の間接法として知られる好酸球算定用ユノペットが製造中止となったため、フロキシン液であるランドルフ液を用いてより少量の血液で好酸球算定用ユノペットと同様の結果が得られるか、18種41例の鳥において両手法の比較検討を行った。得られた結果について1標本t検定を行ったところ、有意差(P<0.01)は認められなかった。従って、今後好酸球算定用ユノペットの代わりとしてランドルフ液を用いるのは有効な方法と考えられる。

4
題名 ソノサージRを用いて精巣腫瘍を摘出したセキセイインコ(Melopsittacus undulatus)の1例
Orchidectomy with Utilizing SonoSurge○R for Bilateral Testicular Tumors in a Budgerigar (Melopsittacus undulatus)
投稿者名 海老沢 和荘
Kazumasa Ebisawa
所属 横浜小鳥の病院
Yokohama Bird Clinic
キーワード 精巣腫瘍、セルトリ細胞腫、超音波乳化吸引装置、ソノサージR、セキセイインコ
要約 セキセイインコ (Melopsittacus undulatus)には精巣腫瘍の発生が多いが、体腔内に占有するほどに成長することから、摘出は非常に困難であるとされてきた。今回、セキセイインコの両側性の精巣腫瘍の摘出手術に超音波乳化吸引装置ソノサージRを用いたところ、全摘出手術に成功し、その後再発もみられず完治した。今後、精巣腫瘍摘出のための有効な術式となり得る可能性がある。

5
題名 肝脂肪症と動脈硬化を認めた若齢ブンチョウの1例
A case of Hepatic lipidosis and Arteriosclerosis in juvenile Java spallow.
投稿者名 片岡 智徳 ら
Tomonori Kataoka
所属 あゆとも動物病院
Ayutomo Animal Hospital
キーワード 肝脂肪症、動脈硬化症、若齢、ブンチョウ
要約 呼吸速迫と嗜眠を示した7週齢のサクラブンチョウ( Padda oryxivora )に対し、呼吸器の細菌感染などを疑い治療を行ったが、症状は徐々に進行し、第8病日死亡した。剖検では、腹水貯留、肝臓の褪色・腫脹、両肺の出血斑および脾臓の腫脹を認めた。病理組織学的検査の結果、肝脂肪症および肺と脾臓における動脈硬化と診断された。本症例では、食餌内容は高脂肪食ではなく、死後の病原体検索でも感染症の可能性は否定されたため、先天的な脂質代謝異常が強く疑われた。

6
題名 セキセイインコにおける鳥抗酸菌症の2例
Two cases of Mycobacteriosis in Budgerigars (Melopsittacus undulates)
投稿者名 加藤 律子
Ritsuko Kato
所属 横浜小鳥の病院
Yokohama Bird Clinic
キーワード 鳥抗酸菌症、Mycobacterium avium- intracellulare complex (MAC)、M. genavense、オウム目鳥、セキセイインコ、跛行
要約 鳥抗酸菌症は、オウム目鳥においてはMycobacterium avium- intracellulare complex (MAC)あるいは M. genavenseによって引き起こされる慢性疾患である。本症にみられる一般的な臨床徴候は体重減少、羽毛粗造、下痢、多尿、腹部膨大で、まれな徴候として跛行、呼吸不全、皮膚腫瘤などがある。セキセイインコにおいて、跛行を呈した1例、軟便下痢で慢性衰弱を呈した1例で抗酸菌症を検出する機会に遭遇した。抗酸菌症を疑い検査を実施するための判断基準としては、糞便検査に異常のみられない軟便・下痢が続くこと、体重減少がみられること、血液検査で白血球増多症があるが抗生物質治療に反応しないこと、これに加え比較的まれだがセキセイインコでは跛行という徴候がみられることなどが挙げられる。今回の2症例では抗酸菌症治療には至らなかったが、今後今まで検出することが困難であったこの病原菌が検出される機会が増えてくる可能性を考えると、オウム目鳥における抗酸菌症治療についての研究、疫学的解明が期待される。

7
題名 4ヵ月齢のオカメインコ(Nymphicus hollandicus)に発生したリンパ肉腫
Lymphosarcoma in a 4-manth-old cockatiel
投稿者名 工藤 慈
Megumi Kudou
キーワード オカメインコ、リンパ肉腫
要約 4ヵ月齢のオカメインコが突然死した。病理解剖を行ったところ、腹腔内に淡黄色脂肪様物質の著しい沈着が認められ、病理組織検査によってこの沈着物はリンパ肉腫と判明した。また、十二指腸穿孔が認められ、培養検査により腹腔内に腸内細菌および真菌が検出され、本鳥の死因はこれらに起因するものであったと推測される。尚、リンパ肉腫が発生した原因は不明であった。

8
題名 コザクラインコにおける落葉性天疱瘡様疾患の1例
Pemphigus Foliaceus-like disease in a Peach-face Lovebird(Agapornis roseicollis)
投稿者名 小嶋 篤史
Atsushi Kojima
所属 鳥と小動物の病院 リトル・バード
little animal & bird clinic LITTLE BIRD
キーワード 落葉状天疱瘡、コザクラインコ、脱羽、落屑、棘融解、ステロイド療法
pemphigus foliaceus, Peach-face lovebird, Feather loss, desquamation, acantholysis, steroid therapy
要約 2歳半、オスのコザクラインコが、頭部中心性の脱羽、皮膚および嘴の異常、活動量の減少を呈して来院した。PCR検査の結果、オウム類の嘴-羽毛病(Psittacine beak and feather disease)および、セキセイインコのヒナ病(Budgerigar fledgeling disease)は陰性であった。後頭部皮膚の病理組織学検査を行った所、表皮の過形成、出血性痂皮、真皮の血管周囲炎、羽上皮の角化亢進、そして棘融解による水疱形成を認めた。さらに、ステロイド療法は有意義な改善をもたらした。これら所見の検討により、本症例は落葉状天疱瘡に酷似する病態を示す疾患と考えられた。
A 2.5-year-old male peach-faced lovebird Agapornis roseicollis was presented for head-feather loss, abnormalities of skin and bill, and decreased activity. Examination by PCR showed negative results for psittacine beak and feather disease and for budgerigar fledgling disease respectively. Histopathological examination of the occipital skin showed hyperplasia of the epidermis, hemorrhagic scab, perivasculitis by of the primarily corium flame, hyperkeratosis of the feather epithelium, and blistering as a result of acantholysis. Additionally, steroid therapy produced a significant improvement. As a result of these findings Based on these findings, the case was regarded as a disorder that showsed clinical conditions resembling those of pemphigus foliaceus, an autoimmune skin disorder.

9
題名 ボタンインコ属の雌鳥における体腔内脂肪腫の3例
Coelomic cavity lipomas in three female lovebirds
投稿者名 豊島 真紀子 ら
Makiko Toyoshima etal.
所属 横浜小鳥の病院
Yokohama Bird Clinic
キーワード 脂肪腫、骨髄脂肪腫、慢性発情、超音波乳化吸引装置、ボタンインコ
要約 慢性発情を呈すボタンインコ属(Agapornis spp.)の雌鳥3例において、体腔内腫瘤を認めた。X線撮影と超音波検査により、卵巣、卵管に生じた実質性の腫瘍を疑い、ホルモン療法を行ったが反応が得られなかったため、開腹手術を行った。体腔内には、独立した腫瘤を認め、超音波乳化吸引装置を用いて腫瘤の吸引・縮小を行い、全摘出あるいは部分摘出した。 病理組織学的検査の結果、摘出された腫瘤は3例共に脂肪腫であると診断され、さらにそのうち2例は骨髄脂肪腫であった。今回、慢性的に発情している雌のボタンインコ属の体腔内に腫瘤を認めた場合、それが体腔内に発生した脂肪腫である可能性を考慮する必要が示された。

10
題名 本邦飼育ボタンインコ類の糞便中に見いだした毛細線虫卵
Capillariid Ova Found in the Feces of Lovebirds in Japan
投稿者名 長堀 正行 ら
Masayuki Nagahori etal.
所属 飼鳥野鳥病院
Bird Hospital
キーワード 毛細線虫科、オウム目の毛細線虫症、ボタンインコ類、虫卵、糞便検査、日本
Capillariidae, capillariasis of psittacines, lovebirds, ova, fecal examination, Japan
要約 本邦飼育のコザクラインコ、雄、2歳の糞便中に毛細線虫卵を検出した。虫卵はレモン形でも樽形でもなく楕円形で、両端に透明な栓を有し、44-59×27-34 (51×28) μm (平均, n=10)の大きさであった。症例は毛引き、食欲低下、膨羽、削痩、粘液性下痢を呈していたが、同居雌や他の飼育鳥に異常はなく、虫卵も検出されなかった。イベルメクチン0.2 mg/kgの経口投与で駆虫効果を得た。さらに、過去の症例に基づき、オウム目の毛細線虫の宿主にルリコシボタンインコとキエリボタンインコを追加した。なお、すべての症例で虫体が採取できなかったため、寄生種は未同定である。しかし、コザクラインコの症例から得た情報を検証した結果、この症例の寄生種は、鶏小腸毛細線虫Baruscapillaria obsignataの可能性が高く、しかも、その感染は飼い主の環境下で起こったとみられる。
Nematode ova belonging to the family Capillariidae were found in the feces of a companion Peach-faced lovebird, Agapornis roseicollis, male, two-year-old, in Japan. Some findings obtained from this case were as follows : ova were elliptic, neither lemon-shaped nor barrel-shaped, with two clearly protruding and transparent polar plugs, measuring 44?59×27?34 (51×28) μm (mean, n=10) including polar plugs ; symptoms were feather-picking, anorexia, fluffed-feather, emaciation, and mucous diarrhea ; no ova were revealed from the female of a pair and other birds in the same room ; ivermectin 0.2 mg/kg PO was effective. In addition, based on our past cases, Fischer’s lovebirds, A. fischeri, and Black-masked blue lovebird, A. personata, were reported as hosts of capillariids in psittacines from Japan. Although no parasitic species are identified in all cases, we suspected that the case of Peach-faced lovebird was caused by Baruscapillaria obsignata, which was infected under the owner’s keeping environment.

11
題名 高尿酸血症のオカメインコ(Nymphicus hollandicus)の1症例
A case of Hyperuricemia in a Cockatiel(Nymphicus hollandicus)
投稿者名 西谷 英 ら
Hide Nishiya etal.
所属 鳥と小動物の病院 リトルバード
little animal and bird hospital LITTLE BIRD
キーワード オカメインコ、尿酸、高尿酸血症、腎疾患用処方食
要約 多飲多尿が見られたオカメインコ(Nymphicus hollandicus)において血液生化学検査を行った結果、高尿酸血症が認められた。この個体に対し尿酸降下薬療法、補液療法を行い、尿酸値を減少させる事に成功した。その後、補液療法を中止し、尿酸降下薬療法と腎疾患用処方食に変更し尿酸値をさらに減少させ正常範囲内でコントロールできた。

12
題名 両側頚静脈のうっ血が視認できたブンチョウ(Padda oryzivora)における動脈硬化症の1例
A case of arteriosclerosis with visible congested jugular veins in Java Sparrow (Padda oryzivora)
投稿者名 平野 郷子
Kyoko Hirano
所属 グリーン鳥の病院
Green Bird Hospital
キーワード ブンチョウ、粥状動脈硬化症、頚静脈のうっ血
Java Sparrow, atherosclerosis, jugular vein congestion
要約 両頚静脈のうっ血による血管壁の拡張と、その周囲の血管破裂による点状出血が複数個所見られた10歳以上のブンチョウ(Padda oryzivora)の死後に、病理検査を実施した。病理組織検査の結果、大動脈と肺動脈の粥状動脈硬化症と、複数臓器での細動脈硬化症、肺での血管壁の破綻による出血巣と細動脈硬化症、肝細胞の脂肪変性、腎臓組織の骨髄性組織の置換、脳の充うっ血などが認められた。これらの事より、この症例は、肺循環圧の上昇が存在していた事が示唆され、長期間動脈硬化症を持続していた事は明らかであった。

13
題名 糖尿病のキエリボタンインコ(Agapornis personata)の一例
Diabetes mellitus in a Masked Lovebird(Agaporis personata)
投稿者名 守谷 浩一
Hirokazu Moriya
所属 あっぷる獣医科病院
Apple Veterinary Hospital
キーワード キエリボタンインコ、糖尿病、経口血糖降下薬、インスリン療法、膵島の欠如
要約 8歳齢の雄のキエリボタンインコ(Agapornis personata)が、元気が無く飲水量が多いという主訴で来院した。血液生化学検査、尿検査により糖尿病と診断し、経口血糖降下薬による治療を行った。第174病日目に状態が悪化、インスリン療法を併用した。併用治療により、インスリン投与間隔が延長でき、臨床症状は改善した。しかし、第404 病日目に突然死亡。膵臓組織の病理組織学的検査により、膵島組織の欠如と膵外分泌細胞のび慢性中等度の脂肪変性がみられた。



投稿区分:記録

14
題名 セキセイインコ(Melopsittacus undulatus)における羽毛内ミネラル分析の試み
投稿者名 朝比奈 恭子
所属 滝沢犬猫鳥の病院

15
題名 鳥類の糞便における潜血試験紙の有用性の調査(中間報告)
投稿者名 黒田 真美子 ら
所属 鳥と小動物の病院 リトルバード

16
題名 学校飼育ハトに発生したニューカッスル病
投稿者名 真田 直子 ら
所属 小鳥の病院BIRD HOUSE

17
題名 愛玩鶏に発生した鶏痘
投稿者名 真田 靖幸 ら
所属 小鳥の病院BIRD HOUSE

18
題名 2種類の蔗糖液によるクリプトスポリジウム簡易迅速検査法の臨床適用とその比較
投稿者名 牧野 幾子
所属 横浜小鳥の病院



投稿区分:情報

19
題名 酪農学園大学野生動物医学センターWAMCにおける日本産野生鳥類における病原体感染リスクの評価に関する基盤調査研究−これまでの進捗と今後の方向性(概要紹介)
投稿者名 浅川 満彦
所属 酪農学園大学

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