The Japanese Association For Clinical Avianmedicine

会報要約 バックナンバー:第23号

会報要約 バックナンバー:第23号

1
区 分 【短報】
著 者 菅野 祥子
所 属 ブルーバード動物病院
タイトル 小型鳥類におけるスリットランプ検査およびフルオレセイン染色法の有用性の検討
キーワード オキュラーサーフェス疾患、画像管理ソフトウェア、スリットランプ検査、フルオレセイン染色
要 約 鳥類の眼科検査の既存報告は大型鳥類が中心であり、小型鳥類についての情報は非常に少ない。そこで、まず最も基本的な情報である正常なスリット像をセキセイインコで観察し、哺乳類同様の正常像を得た。次いでオキュラーサーフェス疾患の小型鳥類5例でそれぞれスリットランプ検査およびフルオレセイン染色を実施し、画像管理ソフトウェアを用いて観察した。スリットランプ検査では5例中4例で異常所見を観察することができた。フルオレセイン染色では5例中2例、陽性であった。スリットランプ検査結果の画像を記録することでトリへの負担は軽く、肉眼のみでは気づきにくい有用な所見を残すことが可能となり、診断、治療、説明上で日常診療の一助となることが期待される。
2
区 分 【短報】
著 者 上田 通裕1)、眞田 靖幸2)
所 属 1)たかつき鳥の病院、2)小鳥の病院BIRD HOUSE CBL
タイトル 鉄貯蔵病が疑われたアフリカオオコノハズク(Ptilopsis leucotis)の2例
キーワード 腹部膨満、腹水、飼鳥、鉄貯蔵病、アフリカオオコノハズク
要 約 飼育下の2羽のアフリカオオコノハズク(Ptilopsis leucotis)が腹部膨満を主訴に来院した。どちらもX線検査および超音波検査で肝腹膜膣に腹水の貯留が認められ、腹水の穿刺抜去および強肝剤、利尿剤などの内服を行うが死亡した。病理解剖検査では2羽とも肝腹膜膣の腹水貯留および肝臓の結節状病変が観察された。病理組織学的検査では、肝臓では肝細胞やクッパー細胞内に多量の褐色色素が沈着し、これらはベルリンブルー染色陽性で、ヘモジデリン(血鉄素)であった。さらに肝臓の結節化した部位では、肝小葉の大小不整化、偽胆管形成や線維化などが観察され、鉄貯蔵病を疑う疾患と診断された。フクロウ科(Strigidae)の種における鉄貯蔵病の報告は著者が知る限り存在しない。本報告は、アフリカオオコノハズクが鉄貯蔵病の感受性種である可能性を示す初めての報告である。本種において腹部膨満および腹水などの症状が認められた場合には鑑別診断として鉄貯蔵病も疑う必要がある。
keywords abdominal distension, ascites, captive birds, iron storage disease, Northern White-faced Owl
summary Tow captive Northern White-faced Owls affected with abdominal distension were carried to the hospital. In the both cases, ascites accumulated in the hepatic peritoneal cavity by radiography and ultrasonography. They died at 12days and at 75days respectively after the removal of ascites by abdominocentesis and administration of hepatoprotetive and diuretic medicines.
Macroscopically, the liver of both two birds revealed discoloration, hardening, and nodular lesions in addition of accumulation of ascites in the hepatic peritoneal cavity. Histopathologically, a large amount of brown pigments were deposited in hepatocytes and Kupffer cells in the liver of the both birds. Brown pigments were confirmed as hemosiderin because its stained with positive for Berlin blue staining. In addition, size imbalance of the hepatic lobules, formation of pseudo bile duct(pseudobiliary formation) and fibrosis were observed in the nodified parts of the liver. From the above results, two captive Northern White-faced Owls were diagnosed as a suspected iron storage disease.There is no report about iron storage disease in owls (Strigidae) as far as the aythor knows. Therefore, this is the first report that indicates that Northern White-faced Owl is also a susceptible species of iron storage disease. If symptoms such as abdominal distension and ascites are observed in this species, it is necessary to suspect iron storage disease as a differential diagnosis.
3
区 分 【情報】
著 者 浅川 満彦
所 属 酪農学園大学獣医学群
タイトル 【資料】飼育個体への鳥インフルエンザウイルス感染リスク回避に関しての示唆―最新疫学論文の紹介(2)
4
区 分 【情報】
著 者 白井 温1)、小亀 舜2)、松田 一哉2)、浅川 満彦3)
所 属 1)埼玉県大宮公園小動物園、2)酪農学園大学獣医学群獣医学類病理学ユニット、3)酪農学園大学獣医学群獣医保険看護学類寄生虫研究室
タイトル シラコバト(Streptopelia decaocto)若鳥におけるハトカイチュウ(Ascaridia columbae)の濃厚寄生症例
5
区 分 【情報】
著 者 松岡 滋、大熊 千春
所 属 あず小鳥の診療所
タイトル 皮膚赤外線体温計を用いた鳥類540症例における顔面の体表温度
6
区 分 【海外文献紹介】
著 者 羽多野 優芳、立石 陽子、内山 絵里奈、河原 咲、佐々木 翔太郎、吉田 麻央、加藤 真梨奈、細谷 崇、髙木 慎介、植松 淳
7
区 分 【Come in!】
所 属 森下動物病院
8
区 分 【インフォメーション】
著 者 眞田 靖幸
タイトル 「鳥種別リーフレット」発行・販売のお知らせ
9
区 分 【インフォメーション】
タイトル 鳥類臨床研究会 会報投稿規定
10
区 分 【インフォメーション】
タイトル 鳥類臨床研究会会報 原稿執筆要領
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