The Japanese Association For Clinical Avianmedicine

会報要約 バックナンバー:第18号

会報要約 バックナンバー:第18号

1
区 分 【短報】
著 者 浅井 さつき
所 属 みずひろ小鳥の診療所
タイトル ヒインコ類に観察された血清尿酸値の上昇とフードとの関連性の検討
Research on the relationship between high uric acid and specified-food in Lories
キーワード ヒインコ類、ローリー、ロリキート、血清尿酸値、ローリーフード
要 約 ヒインコ科の鳥で血清尿酸値が高い症例に多く遭遇したことから、それら8羽の鳥が食していたローリーフード(8社8種類)に尿酸値を上昇させる要因がないか栄養含有量と原材料について、穀物食の鳥用のペレット(8社8種類)と比較し検討をおこなった。
その結果、8種類のうち7種類のローリーフードのタンパク質含有量が飼鳥の栄養推奨量より高かったが穀物食の鳥用ペレットと大きな差異はなく(中央値の一致)、ローリーフードのタンパク質含有量が尿酸を過剰に生成させる要因になるとは考えられなかった。また、ビタミンAの含有量に不足はなく、ビタミンD3、カルシウム含有量は明記していない製品が多かったため判断できなかった。
原材料についてみると、8種類のペレットの主成分が穀類だったのに対し、ローリーフードではショ糖・ブドウ糖・果糖などの糖類が主成分として多く使用されていた。近年ヒトでショ糖・果糖は高尿酸血症を発症させる要因として注目されており、鳥においても血清尿酸値を上昇させる要因となっている可能性が考えられた。
2
区 分 【短報】
著 者 小嶋 篤史
所 属 鳥と小動物の病院リトル・バード
タイトル 生前に肺ノカルジア症と暫定診断し得たキガシラアオハシインコ(Cyanoramphus auriceps)の1例
A case of pulmonary nocardiosis in a yellow-crowned parakeet (Cyanoramphus auriceps) diagnosed provisionally pre-mortem.
キーワード ノカルジア、肺ノカルジア症、皮膚ノカルジア症、生前診断、μ CT
要 約 左眼外側腫瘤と元気食欲低下を主症状とし、血液検査において単球増多を伴う高白血球症を示したキガシラアオハシインコ(Cyanoramphus auriceps )において、眼外側病変の病理組織検査、培養検査によって皮膚ノカルジア症が診断された。さらに、X線検査およびμ CT検査所見から肺ノカルジア症が疑われ、ST合剤とミノサイクリンによる併用療法が実施された。症例は第38 病日に突然死し、死後の病理解剖と肺病変の遺伝子検査によって肺ノカルジア症と確定された。これまで鳥において肺ノカルジア症の生前診断は報告されていないが、多角的な診断アプローチが生前の暫定診断を可能とすることが示された。
3
区 分 【記録】
著 者 加藤 律子
所 属 横浜小鳥の病院
タイトル 突然死したキエリボウシインコ(Amazona auropalliata)にみられた腹壁ヘルニアにおける腸管破裂の1例
4
区 分 【記録】
著 者 松本 和歌音
所 属 仙台小鳥のクリニック
タイトル 鳥ポリオーマウイルス感染症が疑われた国内産ルリコシボタンインコ(Agapornis fischeri)幼鳥の突然死症例
5
区 分 【記録】
著 者 齊藤 拓、海老沢 和荘
所 属 横浜小鳥の病院
タイトル オカメインコ(Nymphicus hollandicus)の精巣腫瘍に対して外科的摘出を試みた3例
6
区 分 【情報】
著 者 竹内 萌香 1)、水主川 剛賢 1)、岡本 実 1)、大沼 学 2)、浅川 満彦 1)
所 属 1)酪農学園大学 獣医学類 感染・病理学分野 2)国立環境研究所生物・生態系環境研究センター
タイトル 資料 浄水場でのイワツバメ(Delichon dasypus)大量死とその病理学および寄生虫学的検査の記録
7
区 分 【意見】
著 者 海老沢 和荘
所 属 横浜小鳥の病院
タイトル 飼い鳥のストレスとフラストレーション
要 約 ストレスは、身体的ストレスと精神的ストレスに分類されるが、飼い鳥にとって最もストレスになっていると考えられるのが、フラストレーションによる精神的ストレスである。鳥の欲求も人と同じように階層になっていると仮説を立て、生理的欲求、安全欲求、優越欲求、繁殖欲求の4 つについて検討することによって、飼い鳥のフラストレーションの理解とQOLの向上を提案する。
8
区 分 【情報】
著 者 秋永 史
所 属 吉塚ペットクリニック横浜小鳥の病院
タイトル Lockjaw症候群に罹患したオカメインコ(Nymphicus hollandicus)の1例
要 約 若齢のオカメインコ(Nymphicus hollandicus )において、時折、Lockjaw症候群(以下ロックジョーと略す)の発生をみる。ロックジョーとは、主にBordetella avium の感染により引き起こされる、くしゃみ、鼻汁、半眼、顎の開口不全などの一連の症状を特徴とする症候群であり、一般的に予後が悪い。今回、ロックジョーに罹患し、開口不全から自己採食が困難となった若齢のオカメインコに遭遇した。しかしながら、この症例は抗生剤の投与と顎の開口運動により症状の改善を認め、最終的に自己採食が可能となるまでに回復した。その一連の経過をここに報告する。
9
区 分 【情報】
著 者 松田 祐二
所 属 みやぎ小鳥のクリニック
タイトル 鳥類臨床における血中AST活性値上昇の解釈に関する一考察
10
区 分 【海外文献紹介】
著 者 曽我 真也、齊藤 拓、吉田 麻央、堀川 ともみ、山田 恵美、佐々木 翔太郎
監訳:国際交流委員会
11
区 分 【インフォメーション】
著 者 眞田 靖幸
タイトル 紹介受け入れ病院一覧・紹介状・問題解決型プロジェクト支援事業への応募要領
12
区 分 【インフォメーション】
著 者 編集委員
タイトル 鳥類臨床研究会 会報投稿規定・原稿執筆要領
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