会報要約 バックナンバー:第25号
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区 分 | 【短報】 |
著 者 | 齊藤 拓、海老沢 和荘 |
タイトル | ろう膜が褐色化したセキセイインコ(Melopsittacus undulatus)に対する精巣摘出術の長期的予後 |
キーワード | セキセイインコ、精巣腫瘍、精巣摘出術、予後調査 |
要 約 | ろう膜が褐色化した雄のセキセイインコ(Melopsittacus undulatus)において、精巣摘出術を実施した際の長期的な腹部膨大の発生率および生存期間について、精巣の完全摘出群、部分摘出群、手術を行わない対照群について比較検討した。腹部膨大の発生率は、完全摘出群18.2%、部分摘出群80.0%、対照群52.3%となり、50%生存期間は完全摘出群42週、部分摘出群14週、対照群20週であった。本調査により精巣の完全摘出術の有効性が明らかとなった一方で、部分摘出群では延命効果は乏しいことが明らかとなった。精巣摘出術の実施に当たっては今回の調査結果を含め飼い主によくインフォームドコンセントを行った上で、手術計画を立てる必要があると考えられた。 |
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区 分 | 【情報】 |
著 者 | 曽我 真也、内藤 晴道 |
タイトル | コガネメキシコインコ(Aratinga solstitialis)のてんかん発作を疑う症例に対しゾニサミドが奏功した一例 |
キーワード | コガネメキシコインコ、てんかん、ゾニサミド |
要 約 | てんかん発作を起こしたコガネメキシコインコ(Aratinga solstitialis)に対し2㎎/㎏/回でゾニサミドの投与を行った。投薬後早期には沈鬱、食欲の低下などの症状が見られたが、てんかん発作を抑える効果は見られなかった。その後徐々に4㎎/㎏/回まで用量を上げたところ発作は消失した。沈鬱などの副作用は早期の導入時にのみ確認され、その後は消失し投与量を増やしても確認されなかった。てんかん発作は第88病日以来確認されていない。第301病日に血中ゾニサミド濃度の測定をしたところ3.6μg/mlであった。これらの結果からゾニサミドは既報の使用量より少ない投与量で発作を抑える効果を期待できる可能性が示唆された。しかし投与後早期には副作用もみられ、低用量から投与を開始し効果がある量まで増量する方法が安全であると考えられる。 |
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区 分 | 【記録】 |
著 者 | 丸山 雄嗣、竹中 万紀子、浅川 満彦 |
タイトル | ワクモ(Dermanyssus gallinae)が濃厚寄生したコムクドリ(Agropsar philippeasis)症例とそのヒト刺咬事例について |
キーワード | コムクドリ、ワクモ、ヒト刺咬 |
要 約 | 2020年6月23日、北海道札幌市に設置した人工巣内で衰弱状態のコムクドリ(Agropsar philippeasis)雛1羽を認めた。同個体体表全面および巣内壁に濃赤色微小虫体の集簇が観察された。当該個体は翌日死亡し、死体を回収した際、痒感を伴った多数の微小発赤部が生じた。虫体群は形態学的特徴から、いずれも中気門亜目(Nesostigmata)のワクモ(Dermanyssus gallinae)と同定された。衰弱時体重は約45%減少し、貧血所見も得られたことから、ワクモの濃厚寄生により斃死したものと考えられた。ワクモはヒトにおける寄生も良く知られる。さらに、ワクモはダニ媒介性脳炎ウイルス、Salmonella seterricaなどを媒介する可能性が示唆されるため、野鳥搬入時には慎重な対応が望まれた。 |
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区 分 | 【記録】 |
著 者 | 平野 郷子 |
タイトル | PBFDウイルスの集団感染が疑われたオカメインコ(Nymphicus hollandicus)の事例報告 |
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区 分 | 【情報】 |
著 者 | 石原 直子 |
タイトル | 毛玉による消化管閉塞により穿孔を起こしたホオミドリウロコインコ(Pyrrhura molinae)の1例 |
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区 分 | 【海外文献紹介】 |
著 者 | 羽多野 優芳、北村 麻子、竹川 真子、立石 陽子、佐々木 翔太郎、河原 咲、細谷 崇、永嶋 惇平、髙木 慎介、吉田 麻央、加藤 真梨奈 |
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区 分 | 【取材】 |
著 者 | 福井 祐子 |
タイトル | 診察室にお邪魔します。「鳥と小動物の病院 falconest」 |
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区 分 | 【インフォメーション】 |
著 者 | 眞田 靖幸 |
タイトル | 「鳥種別リーフレット」発行・販売のお知らせ |
9 | |
区 分 | 【インフォメーション】 |
著 者 | 眞田 靖幸 |
タイトル | 鳥類臨床研究会 会報投稿規定 |
10 | |
区 分 | 【インフォメーション】 |
著 者 | 眞田 靖幸 |
タイトル | 鳥類臨床研究会会報 原稿執筆要綱 |