会報要約 バックナンバー:第29号
1 | |
区 分 | 【短報】 |
著 者 | 片岡 智徳 |
タイトル | ミルワーム(Tenebrio molitor)を給餌していたツバメ(Hirundo rustica)5例に発現した眼科症状の治療経験からの餌昆虫に対するガットローディングの重要性 |
キーワード | ツバメ、眼科症状、ビタミンA 欠乏、ミルワーム、ガットローディング |
要 約 | 傷病鳥として保護された2ヶ月齢から8 歳3ヶ月齢のツバメ(Hirundo rustica)5例にミルワーム(Tenebrio molitor)を給餌していたところ、流涙症、結膜炎、眼瞼腫脹および眼周囲脱羽の眼科症状が出現した。いずれの症例も餌として利用しているミルワームに適切にガットローディングを行うことで症状は軽快し、他に治療薬を投与しなくても数週間で症状は消失した。今回の症状の原因については、全ての症例に共通して、餌として使用していたミルワームの栄養管理に問題があり、特にビタミンA欠乏が症状発現に関連している可能性が考えられた。その証明として、当時使用していたミルワームと同等の条件で飼育管理したミルワームと、適切に栄養強化のためのガットローディングを行ったミルワームのビタミンA含有量について解析を行ったところ、ガットローディングを行ったミルワームではオカメインコで報告されている栄養要求量のビタミンAが含有されていたのに対し、その他の条件で飼育したミルワームではビタミンA含有量は測定限界以下であった。以上のことから本症例に発現した症状の主因は栄養強化不全によるビタミンA 欠乏であることが疑われた。 |
2 | |
区 分 | 【症例検討】 |
著 者 | 上田 通裕、中村 進一 |
タイトル | CT 検査により胸部食道陰影の拡大を認め化膿性壊死性筋胃炎および胸部食道の腺扁平上皮癌が死因と推測されたセキセイインコ(Melopsittacus undulatus)の1例 |
キーワード | セキセイインコ、腺扁平上皮癌、食道、吐き気 |
要 約 | 慢性的な吐き気を示したセキセイインコ(Melopsittacus undulatus)のコンピュータ断層撮影(CT)検査で胸部食道の拡大を認め、死後病理組織検査で化膿性壊死性筋胃炎および胸部食道の腺扁平上皮癌を認めた。このことから嘔吐・吐出の鑑別診断として食道腺扁平上皮癌を考慮する必要性が示唆された。 |
3 | |
区 分 | 【情 報】 |
著 者 | 松倉 未侑、金坂 裕、尾針 由真、浅川 満彦 |
タイトル | 傷病野鳥にはどのような寄生蠕虫がどの程度を保有されるのだろう |
4 | |
区 分 | 【情 報】 |
著 者 | 村上 彬祥、石田 智子、奥山 愛友、小沼 守 |
タイトル | 鳥類における神経学的検査に関する文献レビュー |
要 約 | 脳神経疾患の診断には神経学的検査の実施が重要である。しかし、鳥類において統一された神経学的検査の見解は存在しない。そのため、今回鳥類の神経学的検査を犬猫の神経学的検査シートと対比する文献レビューを実施した。すると、各文献で記述は異なるものの共通する検査項目が複数あり、その項目に基づく検査チャートの作成が可能であることが示唆された。 |
5 | |
区 分 | 【雑 録】 |
著 者 | 牧野 幾子 |
タイトル | 私の学位取得奮闘記 |
要 約 | 「私の学位取得奮闘記」は第一回の眞田靖幸先生、第二回の眞田直子先生に続き、第三回となりました。大先生方の直後でプレッシャーを感じておりますが、学位ってどうすれば取れるの?そもそも学位取得してどんな利点があるの?と思っている先生方に少しでもお役に立つ情報があれば幸いです。 |
6 | |
区 分 | 【学位論文発表抄録】 |
著 者 | 牧野 幾子 |
タイトル | 国内の飼育下鳥類における消化管寄生原虫感染症に関する研究 |