会報要約 バックナンバー:第13号
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区 分 | 【短報】 |
著 者 | 三輪恭嗣 1,2)、内田和幸 3) |
所 属 | みわエキゾチック動物病院 1)、東京大学動物医療センター 2)、東京大学獣医病理 3) |
タイトル | ブンチョウ(Lonchura oryzivora)の副腎髄質腫瘍の1例 Medullary Tumor of the Adrenal Gland in a Java Sparrow (Lonchura oryzivora) |
キーワード | ブンチョウ、副腎髄質、腫瘍 |
要 約 | 呼吸困難と食欲低下を主訴に5歳6ヵ月齢の雌のブンチョウ(Lonchura oryzivora)が来院した。身体検査で腹部の膨満とチアノーゼが確認されX線検査では腹部および気嚢部のX線不透過性の亢進が確認された。抗生剤とステロイド剤の投与により一時的な症状の改善がみられたものの、第10病日に急変し斃死した。斃死後の剖検で左腎頭側部に充実性腫瘤が確認され、同腫瘤は病理組織学的検査で副腎髄質腫瘍と診断された。 |
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区 分 | 【短報】 |
著 者 | 柴田 絵里 |
所 属 | eriどうぶつ病院 |
タイトル | 2羽のセキセイインコ(Melopsittacus undulatus)の疥癬症に対するセラメクチンの治療効果 The effect of selamectin on mange in two budgerigars (Melopsittacus undulatus) |
キーワード | セラメクチン、セキセイインコ、疥癬症 |
要 約 | 疥癬症と診断した2羽のセキセイインコ(Melopsittacus undulatus)に対し、セラメクチン(レボリューション6%、ファイザー、東京)による治療を行った。投薬は調剤を要さず、容易に行うことが出来た。その後いずれのセキセイインコも症状が改善し、明らかな副作用は認められなかった。 |
3 | |
区 分 | 【短報】 |
著 者 | 小嶋 篤史 |
所 属 | 鳥と小動物の病院リトル・バード |
タイトル | ノカルジア症が疑われたセキセイインコ(Melopsittacus undulatus)における慢性副鼻腔炎の1例 A suspected case of nocardiosis with chronic sinusitis in a budgerigar (Melopsittacus undulatus). |
キーワード | ノカルジア、副鼻腔炎、鼻塞、鼻洗浄、菌糸様構造物 |
要 約 | 鼻塞を主症状とし、副鼻腔炎を生じたセキセイインコ(Melopsittacus undulatus)の鼻洗浄液および鼻塞物から菌糸様構造物が検出された。3度目の培養検査でNocardia sp.が検出され、形態学的にも菌糸様構造物はノカルジアと考えられた。本症例の病状推移から原因はノカルジア感染と考えられ、慢性副鼻腔炎型のノカルジア症が疑われた。尚、本症例の症状は鼻洗浄と吸入療法を組み合わせることである程度改善したが、2年半経過した現在も加療中であり、副鼻腔炎型のノカルジア症の難治性が示された本邦初の希少な報告である。 |
4 | |
区 分 | 【短報】 |
著 者 | 海老沢 和荘 |
所 属 | 横浜小鳥の病院 |
タイトル | 肩帯3点切断術によって良好な経過を得たズグロシロハラインコ(Pionites melanocephala)の上腕骨に生じた骨肉腫の1例 |
キーワード | 肩帯3点切断術、断翼、骨肉腫、ズグロシロハラインコ |
要 約 | 飼い鳥の翼には、時に悪性腫瘍が発生し、多くの場合骨周囲にまで浸潤している。腫瘍の形成部位が上腕骨遠位端以降であれば、上腕骨基部または近位1/3で切断可能だが、上腕骨近位端に腫瘍が形成された場合は、不可能である。今回、ズグロシロハラインコ(Pionites melanocephala)の右上腕骨近位端に発生した骨肉腫に対し、肩関節からの離断術ではなく、烏口骨、肩甲骨、鎖骨の3箇所を切断する肩帯3点切断術にて断翼を行ったところ良好な成績が得られた。 |
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区 分 | 【短報】 |
著 者 | 加藤 律子 |
所 属 | 横浜小鳥の病院 |
タイトル | 卵黄嚢遺残が疑われた若齢ブンチョウ(Lonchura oryzivora)の1例 Unabsorbed yolk sac in a Java sparrow’s chick |
キーワード | 卵黄嚢遺残、ブンチョウ、腹部膨満、幼鳥 |
要 約 | 生後約3ヵ月齢のブンチョウ(Lonchura oryzivora)が食欲不振、喉頭炎、腹部膨満を呈し来院した。しかし第9病日に腹水貯留が進行し、治療の効果なく死亡した。死後の病理学的検査を行ったところ、卵黄嚢遺残と肝臓に形成された多発性壊死による肝不全にて死亡したことが分かった。早成性の家禽類や平胸類において卵黄嚢遺残は一般的であるが、晩成性であるオウム類およびフィンチ類での報告はほとんどなく、まれな報告である。 |
6 | |
区 分 | 【記録】 |
著 者 | 藤谷 知穂 |
所 属 | 滝沢犬猫鳥の病院 |
タイトル | 診断的治療から栄養性二次性上皮小体機能亢進症が疑われたゴシキセイガイインコの1例 |
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区 分 | 【記録】 |
著 者 | 松岡 滋 |
所 属 | あず小鳥の診療所 |
タイトル | 経そ嚢食道内圧迫洗浄処置を試みたオカメインコ(Nymphicus hollandicus)の1例 |
8 | |
区 分 | 【記録】 |
著 者 | 永井 裕子、竹内 佐和子 |
所 属 | 多摩バードクリニック |
タイトル | オキセサゼイン製剤投与により激しい嘔吐が消失したオカメインコ(Nymphicus hollandicus)の1例 |
9 | |
区 分 | 【記録】 |
著 者 | 片岡 智徳、片岡 アユサ |
所 属 | あゆとも動物病院 |
タイトル | 針吸引生検により抗酸菌症が疑われMycobacterium genavenseが検出されたオカメインコ(Nymphicus hollandicus)の皮膚腫瘤の1例 |
10 | |
区 分 | 【記録】 |
著 者 | 伊木 治子 |
所 属 | カルミア小鳥の病院 |
タイトル | ブンチョウ(Lonchura oryzivora)にみられた組織球肉腫を疑う1例 |
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区 分 | 【情報】 |
著 者 | 工藤 慈 |
所 属 | さっぽろ小鳥のクリニック |
タイトル | 動物展示施設におけるフクロウ類の死因究明に関する報告 |
要 約 | 札幌市内の動物展示施設において、死亡したフクロウ類4種5羽の死因究明を行った。病理検査の結果、2羽が敗血症、1羽が栄養失調による衰弱の可能性、1羽が急性尿細管壊死を伴う深胸筋変性症、1羽が心筋壊死および誤嚥性肺炎と診断された。 |
12 | |
区 分 | 【情報】 |
著 者 | 吉田 順子 |
所 属 | さっぽろ小鳥のクリニック |
タイトル | 肺転移をともなうセキセイインコ(Melopsittacus undulatus)の頭部線維肉腫(Fibrosarcoma)の1例 |
要 約 | 沈鬱、食欲不振を呈するセキセイインコ(Melopsittacus undulatus)(オス、推定4歳齢)の右耳下の皮下に腫瘤を触知した。腫瘤はしだいに腫大したため第41病日に部分摘出を行った。摘出組織の病理組織学的検索結果は線維肉腫(Fibrosarcoma)であった。患鳥は第88病日、呼吸困難により死亡し、頭部と肺に線維肉腫が認められた。 |
13 | |
区 分 | 【情報】 |
著 者 | 上村 純平 1)、金原 玲子 2)、 吉野 智生 1)、盛田 徹 2)、片岡 愛子 1)、谷山 弘行 1)、福井 大祐 3)、遠藤 大二 1)、浅川 満彦 1) |
所 属 | 1) 酪農学園大学獣医学部、2) ウトナイ湖野生鳥獣保護センター、3) 旭川市立旭山動物園 |
タイトル | 北海道石狩低地帯で確認されたシメ(Coccothraustes coccothraustes)におけるヒナイダニ類寄生症例 |
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区 分 | 【海外文献紹介】 |
著 者 | 小沼 守、遠藤 智子 監訳:小嶋 篤史 |
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区 分 | 【海外文献紹介】 |
著 者 | 松井 苗子、吉田 順子、増田 裕子 監訳:小沼 守 |
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区 分 | 【インフォメーション】 |
著 者 | 編集委員 |
タイトル | 鳥類臨床研究会 会報投稿規定・原稿執筆要領 |