会報要約 バックナンバー:第17号
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区 分 | 【短報】 |
著 者 | 松田 祐二 |
所 属 | はらのまち動物病院・みやぎ小鳥のクリニック |
タイトル | 卵塞症の飼鳥におけるプロスタグランジンF2αの有効性:84症例における後向き研究(2010−12) Efficacy of Prostaglandin F2α for the Treatment of Egg Binding in Companion Birds : A Retrospective Study of 84 Cases(2010−12) |
キーワード | 鳥、卵塞症、難産、プロスタグランジンF2α |
要 約 | 卵塞症と診断され、治療のためにプロスタグランジンF2α(以下PGF2α) が投与された飼鳥60羽84例を対象に調査を行った。その結果、72例(85.7%)がPGF2α投与によって産卵がみられた。その内、64例(76.2%)は単回投与で産卵し、7例(8.4%)が2回目の投与、1例(1.2%)が3回目の投与で産卵がみられた。7例(8.4%)は用手による卵の摘出を必要とし、4例(4.8%)が開腹手術により卵が摘出された。 PGF2α投与に起因する有害事象として、頻呼吸、振戦、過強陣痛、卵管脱がみられ、死亡例が1例あった。 |
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区 分 | 【短報】 |
著 者 | 片岡 智徳、片岡 アユサ |
所 属 | あゆとも動物病院 |
タイトル | 炭酸ガスレーザー処置が奏功した3カ月齢のセキセイインコ(Melopsittacus undulatus)の胸骨に発生した骨肉腫の1例 Sternal osteosarcoma in a 3 month-old Budgerigar: Successful treatment by laser vaporization |
キーワード | 骨肉腫、胸骨、セキセイインコ、3カ月齢、炭酸ガスレーザー |
要 約 | 3カ月齢のセキセイインコ(Melopsittacus undulatus )の胸骨稜に発生した腫瘤に対し、胸骨体まで含めた広範囲の摘出術に加え、切除マージン確保のための蒸散や周囲組織への温熱効果を期待して炭酸ガスレーザー照射を行った。病理組織学的検査の結果、骨芽細胞性骨肉腫と診断され、切除縁に腫瘍細胞が認められたため局所再発が危惧されたが、術後363日経過した現在も再発は認められず、切除術の際の炭酸ガスレーザーの十分な照射が奏功したと考えられた。 |
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区 分 | 【短報】 |
著 者 | 加藤 律子 |
所 属 | 横浜小鳥の病院 |
タイトル | 全身皮膚に反復性の痂皮病変がみられたブンチョウ(Padda oryzivora)の1例 Recurrent crusted dermatitis of systemic lesion in a Java sparrow (Padda oryzivora) |
キーワード | ブンチョウ(Padda oryzivora )、痂皮、表皮ブドウ球菌、鳥クラミジア症、脾臓の肉芽腫 |
要 約 | 鳥類において全身皮膚に痂皮を形成する疾患は稀である。今回痂皮の形成を繰り返すブンチョウの1例に遭遇した。本症例に対し、抗生物質や皮膚の軟膏などの治療を長期にわたって行ったが、衰弱し死亡した。剖検では、心外膜炎、腎臓の血管炎、間質性腎炎および脾臓の肉芽腫形成が判明した。また、剖検時に採取した材料では、腸管腹膜腔から表皮ブドウ球菌、肝臓および脾臓からクラミドフィラ・シッタシが検出された。本症例は、心臓や腎臓に形成された炎症病変に起因する末梢の血行障害の結果として、皮膚の浮腫、それに引き続く痂皮形成を生じた可能性が疑われた。 |
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区 分 | 【記録】 |
著 者 | 海老沢 和荘 |
所 属 | 横浜小鳥の病院 |
タイトル | オーブンレンジ使用により発生した化学物質が原因として疑われた飼い鳥の吸入事故の集団発生事例報告 |
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区 分 | 【情報】 |
著 者 | 浅川 満彦 |
所 属 | 酪農学園大学 獣医学群 獣医学類 感染・病理学分野 |
タイトル | 傷病野生鳥獣救護活動と寄生虫病 |
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区 分 | 【情報】 |
著 者 | 林 律子 |
所 属 | ももの木ペットクリニック |
タイトル | 雑種ニワトリのニワトリアシカイセンダニの治療の6例 |
キーワード | ニワトリアシカイセンダニ、ニワトリ、学校飼育動物 |
要 約 | ニワトリアシカイセンダニはわが国のニワトリに寄生するダニとして知られている。ニワトリの脚鱗下にのみ寄生し、脚の変形、起立不能などの症状を起こすとともに、慢性病では循環器や腎臓にも障害を起こすことがある。今回学校訪問時にトリアシカイセンダニに感染しているニワトリを発見し、1~2 週間の入院治療することで良好な結果を得ることができた。学校では動物の病気の症状に関する知識が乏しいので、こうした症状も異常と気付かれずに放置されていることも多く、今後対策を検討する必要性を感じた。 |
7 | |
区 分 | 【情報】 |
著 者 | 上田 謙吾 1)、上田 亜希子 1)、尾崎 清和 2) |
所 属 | 1)フォーゲル動物病院 2)摂南大学薬学部病理学研究室 |
タイトル | アナホリフクロウ(Athene cuiculalia)に発生した悪性黒色腫(malignant melanoma)の1例 |
要 約 | エキゾチックペットや鳥類の悪性黒色腫の報告は少ない。今回は、アナホリフクロウ(鳥類)にみられた悪性黒色腫を報告する。 |
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区 分 | 【情報】 |
著 者 | 山﨑 裕之 |
所 属 | やまさきペットクリニック |
タイトル | 基礎データーの構築からみる飼育法の傾向と改善点の検討 |
要 約 | 基礎データーの構築は、鳥の診察をおこなう場合に大変重要である。環境や食餌を知ることにより病気を未然に防ぐことができると考える。今回、当院に来院した72羽を調査した。鳥に慣れているオーナーは多く、環境や食餌も購入時から変わっていないことが多かった。しかし、個々の鳥にあった生活スタイルを提供するために、購入時の来院や定期検診を啓蒙する必要性が示唆された。 |
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区 分 | 【情報】 |
著 者 | 松本 和歌音 |
所 属 | 仙台小鳥のクリニック |
タイトル | 腺胃の不完全穿孔および潰瘍でへい死した若齢オカメインコ(Nymphicus hollandicus) |
要 約 | 腺胃に不完全な穿孔を起こしたと考えられる若齢のオカメインコに遭遇した。本症例は加療にて一時回復したが、短期間のうちに再度胃に広範囲の潰瘍を生じ、へい死した。小型インコ類で胃疾患に遭遇することは多いが、若齢オカメインコでは比較的珍しく、また状態回復後の再発も興味深い症例であったため、ここに報告する。 |
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区 分 | 【情報】 |
著 者 | 牧野 幾子 |
所 属 | ふじさわアビアン・クリニック | タイトル | 若齢ブンチョウ(Padda oryzivora)におけるクリプトスポリジウム症の2例 |
要 約 | 鳥類のクリプトスポリジウム症は、世界中から30 種を超える鳥種から報告されている1-5)。ブンチョウ(Padda oryzivora)のクリプトスポリジウム症は、ブラジルでavian genotype が3)、中国か らCryptosporidium baileyi が4)それぞれ報告されているが、本邦からの報告はない。 今回、ペットショップから購入された若齢のブンチョウの糞便から、C. baileyi を検出し、その経過を観察する機会を得たため、その概要を報告する。 |
11 | |
区 分 | 【情報】 |
著 者 | 加藤 律子 |
所 属 | 横浜小鳥の病院 |
タイトル | 開口呼吸と歩様蹌踉を繰り返すオカメインコ(Nymphicus hollandicus)にみられた腎臓のアミロイドーシスの1例 |
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区 分 | 【書評】 |
著 者 | 浅川 満彦 |
所 属 | 酪農学園大学獣医学群 |
タイトル | 書評『インコとオウムの行動学』 入交眞巳,笹野聡美 監訳 |
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区 分 | 【紹介】 |
著 者 | 眞田 靖幸 |
所 属 | 小鳥の病院BIRD HOUSE CBL |
タイトル | BDM2014報告 |
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区 分 | 【紹介】 |
著 者 | 伊澤 伸元 |
所 属 | 鳥と小動物の病院falconest |
タイトル | あると便利なトリの保定器具 |
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区 分 | 【紹介】 |
著 者 | 片岡 智徳 |
所 属 | あゆとも動物病院 |
タイトル | 外固定材の羽軸縫着による骨折整復法のご紹介 |
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区 分 | 【紹介】 |
著 者 | 曽我 真也 |
所 属 | 横浜小鳥の病院 |
タイトル | 生体消毒時のAP生食の有用性 |
17 | |
区 分 | 【インフォメーション】 |
著 者 | 眞田 靖幸 |
タイトル | 紹介受け入れ病院一覧の公開・共有について |
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区 分 | 【インフォメーション】 |
著 者 | 編集委員 |
タイトル | 鳥類臨床研究会 会報投稿規定・原稿執筆要領 |