The Japanese Association For Clinical Avianmedicine

会報要約 バックナンバー:第30号

会報要約 バックナンバー:第30号

1
区 分 【症例検討】
著 者 村上 彬祥、石田 智子、奥山 愛友、小沼 守、藤井 ありさ、近藤 広孝
タイトル 腎疾患を認めた若齢のコガネメキシコインコ(Aratinga solstitialis)における超音波検査の有用性についての検討
キーワード 腎炎、超音波検査、カラードプラー法、石灰化
要 約 鳥類の腎疾患、特に腎炎の臨床症状は非特異的であるため、生前診断が困難なことも多い。今回、腎機能低下を認めた若齢のコガネメキシコインコ(Aratinga solstitialis)について、生前に超音波検査により腎炎および石灰沈着を疑い、死後検査における病理学的所見との相関が得られたため、その概要を報告する。
2
区 分 【症例検討】
著 者 市原 綾
タイトル 眼球周囲の腫脹を呈した低分化型B 細胞性リンパ肉腫のブンチョウ(Lonchura oryzivora)の1例
キーワード ブンチョウ(Lonchura oryzivora)、B 細胞性リンパ肉腫、眼球周囲
要 約 3歳齢雌のブンチョウ(Lonchura oryzivora)が掻痒や疼痛を伴わない右眼球周囲の腫脹を主訴に来院した。プレドニゾロンの投与により腫脹の部分的な軽減を認めたが、減薬や休薬により再度腫脹し、メロキシカムの投与は奏効せず、プレドニゾロンを再開したものの徐々に衰弱して死の転帰をたどった。病理検査にて、左右の眼球周囲、左右の副鼻腔、肺、肝臓、腎臓において、類円形核内に1ないし2個の明瞭な核小体を有するリンパ芽球に類似する円形細胞の腫瘍性増殖が確認された。腫瘍細胞は免疫組織染色でCD3陰性、BLA36陽性であり、低分化型B細胞性リンパ肉腫と診断された。ブンチョウのリンパ肉腫においてプレドニゾロンが奏功するも減薬および休薬により不可逆的に予後を悪化させた可能性が示された。またメロキシカムはブンチョウのリンパ腫においても効果的でない可能性が示された。
3
区 分 【症例検討】
著 者 村上 彬祥、石田 智子、奥山 愛友、小沼 守
タイトル 腹水の貯留がシルデナフィルの投与により改善したルリメタイハクオウム(Cacatua ophthalmica)の1例
キーワード 肺高血圧症、シルデナフィル、短絡性心疾患、三尖弁輪収縮期移動距離、右室面積変化率、
右心室流出路分数短縮率
要 約 鳥類は右室機能障害や肺高血圧症が比較的発生しやすい。しかし、同病態に対する評価基準および治療方法は未だ確立していない。本報告は先天的な短絡性心疾患を起因とした肺高血圧症、それに伴う腹水貯留が疑われたルリメタイハクオウムに対して、心臓超音波による評価を行いながらシルデナフィルの投与を実施したところ、用量依存性に腹水および臨床症状、心負荷の改善を認めたものである。
4
区 分 【情 報】
著 者 中島 ちひろ†、古田 ひかる、小林 孝之
タイトル Psittacine Beak and Feather Disease(PBFD)を疑ったセグロコサイチョウ(Tockus deckeni)の一例
要 約 推定年齢10歳のオスのセグロコサイチョウ(Tockus deckeni)が食欲低下、体重減少、羽毛の脱落などの症状を呈した。羽毛のPCR 検査を実施し、Budgerigar Fledgling Disease 陰性、Beak and Feather DiseaseVirus(BFDV)陽性でPBFD を疑った。検査後、インターフェロンの投与を2 週間間隔で回実施し、臨床症状にやや改善が見られた。再度羽毛のPCR検査を実施し陰性となったが、その後食欲低下、体重減少がみられ、初回の投薬から82 日後に死亡した。剖検が行われ、PBFD感染を示唆する所見は認められなかった。
5
区 分 【情 報】
著 者 戸島 万記子、北村 麻子、井上 直子、眞田 靖幸
タイトル 劣悪な環境下で飼育されていたブンチョウ(Lonchura oryzivora)103羽のレスキュー事例について
6
区 分 【雑 録】
著 者 村上 彬祥、石田 智子、奥山 愛友、小沼 守
タイトル 敗血症を疑う病態の転帰およびその発症機構に関する病理組織学的考察
7
区 分 【情報】
著 者 松本 和歌音
タイトル 書籍紹介 「写真と動画でよくわかる!コンパニオン・バードの臨床テクニック」(水上昌也著、2020年7月発行、緑書房)
8
区 分 【情報】
著 者 浅川 満彦
タイトル 書籍紹介 『鳥類のデザイン』(カトリーナ・ファン・グラウ 著、鍛原多惠子 訳、川上和人 監訳;みすず書
房、2021年7月刊、定価6,300 円+税、384頁)
PAGETOP
Copyright © 鳥類臨床研究会 All Rights Reserved.
Powered by WordPress & BizVektor Theme by Vektor,Inc. technology.